【弁護士が解説】弁護士を変更する3つのメリット

この記事を読んでいるあなたには、このような不安や悩みがありませんか?

  • せっかく弁護士に依頼したのに、思い通り進んでいない
  • 相手に付いている弁護士のほうが凄い気がする
  • 依頼中の弁護士が頼りなくて心配

  • 私の話をちゃんと聞いてくれない
  • 私の案件が後回しにされている気がする
  • 弁護士選びに失敗したのかな

離婚・相続・交通事故など、弁護士に依頼するのは依頼者にとって一大事です。

「弁護士に頼むのは初めて」という方も多いので、不安になる気持ちもわかります。

しかし大前提として、「弁護士を変えれば全てうまくいく」ということはありません

当然ながら、メリットもデメリットもあります。

そこで今回は、15年以上弁護士を続けてきた私(河野)が、「弁護士を変えるメリット」を解説します。

デメリットの解説はこちら

Contents

【結論】弁護士を変えるメリット

  • 依頼中の弁護士に明らかな問題があれば、その問題が解消される
  • 依頼中の弁護士に明らかな問題がなくても、良い結果が得られる場合がある
  • 信頼感・納得感が得られる場合がある

①依頼中の弁護士に明らかな問題があれば、その問題が解消される

たとえば依頼中の弁護士に、次のような問題があったとします。

  • 弁護士と一度も会わせてもらえず、すべて事務員が対応している
  • 委任契約書も結ばず、費用に関する説明もない
  • 長期間連絡が取れず、きちんとした理由の説明もない
  • 依頼してから長期間動きがなく、きちんとした理由の説明もない
  • メンタルに問題を抱えている
  • 暴言を吐く
  • 心ない言葉を言われる

これらは、単に「色んな弁護士がいる」では片付けられない、客観的に見て問題のあるケースです。

そこで弁護士を変更すれば、こういった明らかな問題は解消されるでしょう

これは、わかりやすいメリットです。

ただし、弁護士を変えたのに、その弁護士もまた別の問題があるという可能性もあります。

②依頼中の弁護士に明らかな問題がなくても、良い結果が得られる場合がある

弁護士は、医師と違って「○○専門」や「○○科」というものはありません。

しかし、弁護士によって知識・経験・交渉力などに差があります。

ですから、弁護士を変えることで良い結果が得られる場合はあります。

とはいえ、「弁護士を変えたら一気に勝敗が変わる」というのは、なかなか考えにくいです。

なぜなら、多くの弁護士が熱心に仕事をしていますし、取り扱いが難しい分野はそもそも依頼を受けないからです。

ただ、弁護士が取り扱う分野の中でも、比較的専門性が高い分野はあります。

たとえば、

  • 離婚や相続などに比べて、取り扱っている弁護士が少ない分野
  • 特有の知識や経験が必要な分野

こういった分野の場合は、多くの取り扱い実績がある弁護士に変更すれば、良い結果が得られる可能性が高まると思います。

しかしいずれにしても、特に根拠もなく「良い結果が欲しい」という目的で弁護士を変えても、期待外れになる可能性が高いのでご注意ください。

「隣の芝は青く見える」と言われるように、どうしても他の弁護士はよく見えてしまうものです。

「どんな案件でも勝訴できる弁護士」など、存在しません。

③信頼感・納得感が得られる場合がある

  • 弁護士Aは、仕事も遅く、「本当に大丈夫なんだろうか?」と不安になります
  • 弁護士Bは、仕事が早く、「この人に任せておけば安心」と思えます

仮に同じ結果だったとしても、弁護士Aの場合は、「別の弁護士なら違う結果になったのでは?」と思うかもしれません。

ところが弁護士Bの場合は、「この弁護士でこの結果なら、他の弁護士に頼んでもこれ以上の結果にはならない」と思えるかもしれません。

やや極端な例ですが、これに近いことは多いです。

法律トラブルでは、100%思い通りにいくことはまずありません。

不本意なこと、不条理なこと、不愉快なことは必ず起こると言って良いでしょう。

だからこそ、

  • この弁護士が言うならそうなんだろう
  • この弁護士でも無理なら無理なんだろう

そう思えるかどうかで、信頼感・納得感は全く違います。

これは、弁護士の仕事ぶりもありますが、実は相性の問題も大きいです。

同じ弁護士でも、「物腰が柔らかくて優しい弁護士だ」と感じる人もいれば、「弱気で頼りない弁護士だ」と感じる人もいます。

依頼中の弁護士に明らかな問題はないけれど、どうしてもこの弁護士は信頼できない、納得感が得られない、という場合は弁護士を変えるのも一つです。

とはいえ、弁護士を変えても別の問題が生じる可能性もあるので、慎重な検討が必要です。

まとめ

弁護士を変更する3つのメリットを解説しました。

繰り返すと、この3つです。

  • 依頼中の弁護士に明らかな問題があれば、その問題が解消される
  • 依頼中の弁護士に明らかな問題がなくても、良い結果が得られる場合がある
  • 信頼感・納得感が得られる場合がある

ここまでお読みいただけるとわかるかと思いますが、メリットを感じやすいのは①だけです。

それ以外の場合は、メリットを感じられるかどうかはケースバイケース。

ですから、あまり安易に弁護士を変えるのはオススメしません。

しかし、弁護士を変えるべきか判断できない、という方もいらっしゃると思います。

当事務所では、セカンドオピニオンサービスを行っておりますので、よろしければご利用ください。

オンライン(Zoom)でも対応いたしますので、東京・大阪をはじめ全国対応が可能です。

これは決して、「弁護士を変えること」を前提としたものではありません。

問題がないとわかれば、安心感・納得感を持って依頼を続けてください。

他方、問題があるとわかれば、なるべく早く問題を改善してください。

その判断のお役に立てればと思います。

執筆者

弁護士 河野 佑宜のアバター 弁護士 河野 佑宜 こうの法律事務所 代表弁護士

2007年に弁護士登録し、2015年に「こうの法律事務所」を開設。
民事・刑事問わず幅広く取り扱う弁護士として活動。
2021年度 京都弁護士会 副会長を務めたほか、京都弁護士会の複数の委員会で委員長・副委員長を務める。

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